偶然見つけたご飯屋さんで気軽にバイトしてみたい…

そう考えたことはないだろうか?

そんな願望を叶えるサービスを鹿大生が作っている。

*上記の画像から「ぐるジョブ」サイト見れます。

「ぐるジョブ」とは

鹿児島県内のグルメ情報や求人情報を掲載するサイト。飲食店の″食″にとどまらず、″職″を同時に探せる一石二鳥のプラットフォームだ。

 

 

「ぐるジョブ」を自ら発案し、運営する鹿大生・

村上将太郎さん(24)を

紹介したい。

*村上将太郎さんのツイートから抜粋

発案の経緯

村上さんが「ぐるジョブ」を展開したきっかけ。それは「学生が挑戦するうえで足かせとなる金銭的な問題を解決したい」―。そんな思いからだ。学生にとって大きな出費の一つが年間50万5000円(鹿児島大学の場合)に上る学費。自宅外通学生なら食費に家賃、光熱費などの負担が重くのしかかる。その上、検定や留学、免許取得などさまざまな経験を積むための出費も避けられない。多くの出費をアルバイト収入や親からの支援でまかなっているのが現状だ。アルバイトの中でも身近な職種が飲食業。飲食業で働く鹿大生は64%KADAI INFO調べ)を占めている。しかし、飲食業を取り巻く環境は新型コロナウイルスで厳しさを増すことになった。たび重なる時短・休業要請で非正規雇用者は休業を余儀なくされ、人件費を削る飲食店も。村上さんも三つの飲食店でアルバイトをしていたが、コロナ禍で閉店に追い込まれてしまった。職を失って困窮した経験。さらに飲食店の倒産が増える実情を目の当たりにし、喪失感を覚えたという。その中で発案したのが、「鹿児島のshoku(食と職)の喪失を防ぐ」というビジネスプランだった。その根底には「鹿児島の豊かな食文化をつくり上げる飲食店の灯を絶やさない」という思いがある。

ぐるジョブの新規性

このサービスには村上さんの飲食店と学生、両方向に対しての「挑戦を支援する」という思いが所々に見受けられる。

1意図的な偶発性

一つ目が意図的な偶発性だ。ぐるジョブでは「ぐるジョブガチャ」というサービスが存在する。このサービスではサイト内でのガチャを回すことによって加盟店の割引クーポンをランダムに獲得できる仕組みだ。このことにより普段は行かない飲食店へ足を運ぶきっかけとなり、飲食店はより幅広い消費者を獲得できるだろう。村上さんはこのサービスに対して「飲食店にとっても起爆剤となる仕組みになってほしい」と語っている。

また、このサイトではお店のグルメ情報を見ると同時に、そのお店の求人情報も閲覧できる。そのことで、例えばお店の雰囲気や食べ物をきっかけに実際、そこで働いてみたいと興味が湧く利用者をアルバイトとして雇うことができる。つまり、お店の利用者をより円滑に雇用資源へと変化させることができるのだ。

2搾取される立場をなくす取り組み

次に飲食業界で搾取される立場をなくす仕掛けだ。このサイトに掲載するには月々1万1000円の掲載費用が発生する。しかし、通常国内大手のグルメサイト・求人サイトに飲食店の側から掲載するには合計で約7万円の掲載費用がかかるため、通常の掲載費用より6万円安くなる。この裏には、無駄な情報配信などによって発生するオペレーションコストの削減をすることで実現できるというからくりがある。このことで、経営者の企業努力にはなってしまうが、非正規雇用者の収入の安定にもつながると村上さんは語る。

3スポットでギグワーク促進

そして、最後に単発バイト「スポット」利用の促進だ。コロナ禍で飲食店の雇用状況の不安定さをひどく経験した学生も多くいるだろう。その中で、単発のバイト「スポット」が学生やフリーターにとって不安定な飲食店のバイトでも気軽にギグワークとして働くことを狙っている。これに対して、単発の仕事で良質な人材を確保することの難しさを指摘する声もあるだろう。しかし、その対策として、単発のアルバイトをした被雇用者の人材評価が自動的に集積される制度を導入している。雇用者側はそれらの評価をもとに「スポット」のスタッフとして雇うか、面接の手間を省いて判断することができる。

今後の展望

このサービスについて、村上さんは学生である数年間だけではなく、その先の継続性も含めて現実的な料金を設定し、事業展開を見据えている。その中でも、この事業は学生やフリーターをターゲットとしているからこそ、学生の目線をサービスに生かし続けることを重要視しており、この事業には村上さんが卒業したのちも常に学生が関わっていくべきだと話す。そして今後はまず、200店舗の飲食店に加盟してもらい、500人の登録利用者を目指しているそうだ。

最後に

村上将太郎さん
ぐるジョブに限らず,面白いアイデアを一緒に考えながら形にできる仲間を募集してます!
現在、焼酎のブランディング・マーケティングや大学・行政と連携した起業家育成・支援に取り組んでいます。少しでも興味ある人,勉強したい人,とりあえず何かアクションしてみたい人はSNSで声かけしてくれると嬉しいです。

取材後記

今後の事業計画、鹿児島の飲食業界について、村上さんは楽しそうに語ってくれた。そして、彼は常に起業だけではなく興味あること全てに対して、考えることよりも先に行動に移している。自らの経験をもとに鹿児島市の下鶴市長と対談をしたり、KADAI INFOが運営する「美男美女SNAP2021」のモデル「sho」としての参加をしたり。ぜひ、そちらでも彼の好奇心をもとに行動する姿を見てもらいたい。

 

編集:寝占泰志/
デザイン:髙原咲

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