「学生だけでコーヒースタンド立ち上げた人たちがいるらしいよ。」
「しかもクラウドファンディングで!」
そんな噂を聞きつけたKADAI INFO。
「なにそれ、めちゃくちゃおもしろそう。しかもクラウドファンディング!?」
新しいもの&コーヒー大好き人間な筆者。これは話を聞かない訳にはいかない!
と、代表である一戸悠里さんに突撃インタビューしてきました。(※2018年12月インタビュー)
学生のうちに何か新しいことを始めようと思っている人、その一歩手前で立ち止まっている人、今はまだ特に何も考えてない人…。
すべての人に読んでほしいYouth Sense Coffee設立までの道のり。
あなたも何か新しいことを始めたくなるかも!?
【プロフィール】
一戸悠里(いちのへゆうり)さん(21)。工学部環境化学プロセス工学科4年。鹿児島のIT企業で長期インターンをしながらYouth Sense Coffeeの代表を務める。現在休学中。横浜市出身でAppleと唐揚げとカフェが大好き。【Twitter:@youri_0314】
クラウドファンディングとは…?
実現させたいアイデアやプロジェクトのためにお金を必要としている人が、インターネット上で世の中の人に出資を呼び掛け、資金を集める方法。
もっと知る…(出典:Readyfor)
〈以下〉KADAI INFO=I,一戸さん=Y
Youth Sense Coffeeって?
I
まず、「Youth Sense Coffee」がどのような活動をしているのか教えてください!
Y
はい。Youth Sense Coffeeは、平日の7:30~9:00に、加治屋町にあるコインパーキングの一角を借りて移動販売の形でコーヒースタンドを営業しています。
I
コーヒーを一般の人に提供しているってことですか?
Y
そうです。今年の4月末に「コーヒースタンドをやろう」というアイデアが生まれて実際にYouth Sense Coffeeとして活動を始めたのは6月ですね。出店を開始したのは10月の下旬です。通勤途中の社会人の方や、学生さんなどが立ち寄ってくれます!
I
活動を始めてから、実際にコーヒースタンドを運営するまで約4か月。行動力がすごい!
Y
その間も自分たちの就活や試験など、学業との両立が大変でしたね。でも、学業優先っていうのは大事にしています。
I
今は何人で活動をされているんですか?
Y
25人で活動をしています。鹿児島大学生だけでなく、4人程国際大学生もいます。その中で女の子は8人くらいですかね。学生だけで運営してるのが魅力の一つだと思ってます!
I
活動を始めようとおもったきっかけは?
Y
鹿児島におもしろさが足りないと感じたことがきっかけです。おもしろさが足りないと言ったら上から目線だけど…(笑)元気がないというか。僕は福岡と東京で就活したんですけど、学生団体の数が圧倒的に多くて思考も前向きでした。鹿児島大学を見たときに、就活に関してもそれ以外のことでも「まだ大丈夫」っていう考え方が強い気がしました。「なんかつくるぞ!」っていう意気込みに違いがあるな、と。
I
受け身な感じっていうんですかね…
Y
そうですね。流れに身を任せてる学生が多いかもしれないですね。「周りもこうだから自分もこうでいいや」っていう雰囲気があるかも。それをどうすれば変えられるだろうと考えたときに、身近にかっこいい大人がいることなんじゃないかなって。そういう人に出会って、感化されることでしか変えられないことがあると思いました。それが、コーヒースタンドをはじめたきっかけですね。
I
「かっこいい大人」から「コーヒー」はどのようにして発想をつなげたんですか?
Y
まず自分に何が足りてないかなって考えたときに、鹿児島の社会人と自分がつながってないことに気づいたんです。その問題は、リアルに会うことでしか解決できないと思いました。適当に連絡とっても、一度会うだけになってしまう...。それなら、毎朝会って、コーヒーを提供する中で「つながり」を作ればいいと。
I
常連さんになったら、毎朝会えますもんね。発想の転換がすごい!
Y
実際に常連になって毎朝コーヒーを買ってくれる人もいるんです。顔もだんだん覚えてきました。
I
そこから何か始まりそうですね!
Y
それが、すでにあったんです。鹿児島にUターンしてきて、カフェ経営をこれから始める社会人の方が、「ぜひコラボしましょう」って声をかけてくれたりしました。一緒に鹿児島を盛り上げていこうっていうコミュニティが広がってきました。
I
皆さんが最初目指していた通り、コーヒースタンドがビジネスのきっかけになる形ができつつあるんですね。
Y
はい。それに加えて、移動販売だとフットワークが軽いから、お祭りに参加したり、企業さんのイベントへ出張カフェもしています。
▶︎先日行われた「谷山ふるさと祭」に出店したYouth Sense Coffee。KADAI INFOもお邪魔してきました!
移動販売のための店舗は手づくりなんだそうです!
たくさんのお客さんでにぎわうYouth Sense Coffee
一杯ずつ丁寧にコーヒーを淹れるメンバー…豆も自家焙煎なんだそう!
おいしそう♪
楽しそうに接客していますね!
子どもたちも遊びにきていました☺
「クラウドファンディング」について聞かせて!
I
活動資金を集めるためにクラウドファンディングを行ったと聞いたのですが、詳しく聞かせてください!学生には敷居が高いイメージがあるのですが…
Y
自分たちも最初はハードル高いかなって思いました。でも、クラウドファンディングのサイトを見てみると、意外と学生がやっていたりするんですよね。鹿児島の学生は少ないかもしれないですが、全国規模で見たら前例があるんです。もちろん、やるからには成功させたいという気持ちが強かったので、今までクラウドファンディングをやったことのある人にメッセージを送って情報収集したりしました。
I
思いが強い分、準備もしっかりされたんですね!どのくらいの期間で目標額が集まったんですか?
Y
約30日間で、58万円集まりました。
I
一か月で58万円ですか!?
Y
はい。ですが、実際には手数料などもあるので49万円くらいになりました。「リターン」といって、いわば「お返し」のようなものなんですが、出資してくれた人にYouth Sense Coffeeのグッズなどを制作して送りました。
I
どのような人たちが出資してくれたんですか?
Y
身内が多かったですね。7割くらいはそうでした。でも、残りの3割の人たちは鹿児島出身という共通点を持っている人だったり、Twitterでいいねしてくれた方たちでした。
I
それまでつながりがなかった人たちからも「応援したい」という声が上がるのは嬉しいですね。クラウドファンディングで集まったお金は、カフェを運営するための資金として十分でしたか?
Y
元々、クラウドファンディングの目的は焙煎機などの設備投資のためだったので、活動費としては十分ではない面もありました…でも、豆がコーヒーの命なのでそこにお金をかけられたことは後悔していません!
I
私も今回Youth Sense Coffeeのコーヒーを飲ませてもらったのですが、飲みやすいのに味わい深くて、とても美味しかったです!ぜひ豆へのこだわりを聞かせてください。
Y
メンバーのふうととゆうきがコーヒーに詳しくて、主に焙煎を担当しています。苦味を抑えていて、コーヒーが苦手な人でも紅茶感覚で飲めるんじゃないかな。そして、コーヒーだけじゃなくて、レモネードも販売しているんですよ。
I
コーヒーが苦手な人にとっては嬉しいサービスですね!
大変だったことは…?
I
コーヒースタンドの運営を形にするまでには大変なこともあったと思うのですが、振り返ってみてどうですか?
Y
大変なこと、、、ありましたね~。泣きながらやってました(笑)最初のクラウドファンディングの時もつまづくことがありましたし、何より出店場所が決まらなかったことが辛かったです。何十社と営業をかけても断られて。自分の中では「鹿児島を盛り上げたい」という一心で活動をしてきたつもりでも、営業で話も聞いてもらえない時には、「自分たちの活動って必要ないことなんじゃないかな。」って感じてしまうこともありました。
I
何十社…
Y
でも、全員が全員そうではなくて「うちでは無理だけど、応援してるから頑張れ」と声をかけてくれる人もいました。その存在とチームメンバーが救いでしたね。それがエネルギーとなってここまでやってこれました!
I
リアルに会いに行って、話をしたからこその出会いですね。
Y
この活動を通して、自分たちは「社会人を応援する」という目標のもと活動しているけど、逆に大人から応援してもらっているなと日々実感しています。
鹿大生へメッセージをお願いします!
I
これからYouth Sense Coffeeさんのように新しいことを始めようとしている鹿大生に、ぜひメッセージをお願いします!
Y
いいことは言えないんですけど…(笑)学生さんには「周りと違うことをしてほしい」って思います。周りもこうだからって理由で何もしなかったり、動けなかったりするのが普通になってほしくないですね。今行動しなかったら、将来納得のいかない人生を歩んでしまう。だからこそ、しっかり学生のうちに考えて行動することが大切だと思います。
「しっかり考えて行動」って何をすればいいのって思う人もいるかもしれないんですけど、自分が思ったのは、「周りの人を笑顔にする」ことなんじゃないかな。これを意識していると、自然とその場も盛り上がるし、笑顔を与える=人に価値を与えていることになると思うんです。そうすると、次の行動が見えてきて、どんどん新しい活動につながっていく気がします。
I
最終的にYouth Sense Coffeeが目指すものはなんですか?
Y
「夢追い人であふれる鹿児島をつくる」というのが自分たちのビジョンなのですが、それを実現するために3つのミッションを持っています。「鹿児島がわくわくするものをつくる」「自分たちもわくわくするものをつくる」「夢追い人を創出する」です。夢って大きく言っているんですが、小さなものでも目的や目標を追いかけてる人って、かっこよく見えますよね。メンバー個人がそういう人間になると、その人の周りにいる人も自然と変わっていく。その連鎖が、またわくわくに繋がっていくと思います。
I
一戸さんも、目標であるYouth Sense Coffeeの活動や、鹿児島への思いから休学という選択をしたと伺ったんですが…
Y
最初はいろんな人に反対されちゃいましたね。でも、こういうことがやりたいんだという気持ちをちゃんと伝えて説得しました。
I
やりたいことのために大きな決断をされたんですね。
Y
今は、休学してよかったと思います。まだまだこれからなんですけどね(笑)休学するか悩んでいる人には、周りの目をあんまり気にしてほしくないなって思います!自分で選択したことだからこそ、失敗しても成功しても納得できる気がするんです。
さまざまなSNSを駆使して活動をPRしているYouth Sense Coffee。
最近社会人向けメディアの運営も始めたそう!
コーヒースタンドから幅広い挑戦を続ける彼らから目が離せません!
そして何より、Youth Sense Coffeeのコーヒーはとっても美味しかったので、ぜひみなさんも飲んでみてくださいね♬
【Youth Sense Coffee】
▶メニュー
Hot coffee ¥200,Hot lemon ¥150,Hot cocoa ¥150
※雨天時営業中止
▶地図
HP:https://youthsense-coffee.com/