大学進学という1つの道を選んだ私たち。
将来の自分なんて、そんな先のことできれば考えたくないもの。
でも、就職や進学、考えないといけないタイミングって必ずやってくる。
それなら、大学の授業で、自分と向き合う時間を作ってみませんか?
平成27年度から鹿児島大学で始まったかごしまキャリア教育プログラム。
そのスタートアップ科目として、共通教育に「地域キャリアデザイン」という授業があるんです。
今回は、授業を担当する牧野暁世(まきのあきよ)先生と、授業を受講した農学部 農業生産科学科 3年生の 松尾彬(まつおあきら)さんに、インタビューしてきました!
どんな授業? キャリアって何?
ーはじめに、「地域キャリアデザイン」がどんな授業なのか、教えてください!
そして、自分の目指す将来に向かって、近づこうとする授業なんです!
ーなるほど!自分とじっくり向き合っていく授業になるんですね!もっと詳しく教えてください!
「地域」をテーマにした授業では、鹿児島県の職員や企業の方をお呼びして、県の現状や地域の取り組みについて教えていただくんですよ!そして、地域の現状が分かったら、次は「企業」のステップ。
地域には、どんな企業があるのか、という地元企業の調べ方を、早い段階から学んでいくんです。
ここで重要なのは、「企業のリアルを知る」ということ。
社風や雰囲気、企業の体質のような主観的なものって、自分に合うのか自分で感じないといけないですよね…
だから、企業の方に直接、学生がインタビューし、ネットに書かれていない情報を含め、リアルで幅広い企業情報の取り出し方を学ぶんです!最後の「キャリアデザイン」では、それまでの授業を踏まえて、10年後の自分がどうありたいのかっていうことを考える授業になっています。
今の自分を皮切りに、過去の自分を振り返り、自分史をきちんと把握する。
そして、自分がどうありたいのかを、過去から未来に向けての連続性の中で理解してもらうんです。
ーまさに、自分づくりのための授業になっているんですね!
(▼授業の内容)
3つの柱 | 回数 | テーマ |
第1回 | オリエンテーション+今の自分を知ろう | |
地 域 | 第2・3回 | 鹿児島の現状や地域の取組について知ろう |
企 業 | 第4回 | 就業に向けた企業調査の方法 |
第5回 | 企業情報の収集方法 | |
第6回 | 模擬インタビュー | |
第7回 | 実践インタビュー | |
第8回 | 企業調査の成果報告 | |
キャリアデザイン | 第9回 | 10年後の働き方について考えよう |
第10回 | キャリアデザインって何だろう | |
第11回 | 自己分析からキャリアデザインを何だろう | |
第12回 | 職業適性と具体的な職業について考えよう | |
第13回 | 就業に必要な能力とは? | |
第14回 | 若手企業人との意見交換会 | |
第15回 | 自分のキャリアデザインを発表しよう |
就職ギャップをゼロに! 活躍できる社会人に!
ーこの授業の魅力は、どんなところですか?
でも、企業の方とお話することで、自分に足りないものは何か、社会でどういう視点を持って働いていくべきかが分かりました。社会への向き合い方を自分なりに考えることができたので、とても良い経験になったと思っています。
あ!そうそう!松尾さんは、この授業の1期生なんですよ!
ー1期生⁈ ということは、1年生のときから、こんなに将来のことをしっかり考えていたんですね!(筆者、自分のことを振り返り、多少へこむ…(^_^;))
松尾さんもそうですけど、1期生の皆さんは、リーダー候補のような人たちが揃っていたように思うんです。
ビジネスプランコンテストで受賞したり、学生団体を立ちあげてイベントをしたり、海外留学したり…それぞれみんな、あのときに宣言したことが、多少形は変わっても、みんなそれに向かってすごく頑張っているんだなと。
そして今、その姿を2年生、1年生も見てきてくれているように思うんです。
松尾さん僕は、この授業を通して一番身につけられたものが、主体性だと思っているんです。
僕、スーパーの惣菜売り場でアルバイトをしているんです。
マニュアルみたいなものがあって、基本的にはそれに沿ったことをすれば良いんですけど…自分だったらこういう風にやり方を変えていけば、もっと効率的にできるんじゃないか、お客さんがお店を利用しやすくなるんじゃないかって、常に頭でしっかり考えて、提案したり、実行したりできるようになったと思っていて。
2年生の春休みには、コミュニケーションが苦手だと思っていたのですが…あえて苦手なものに飛び込んでみようと、議員インターンシップにも参加しました。
ーこの授業での経験が、その後の皆さんの学生生活に大きな影響を与えているんですね!
”アクティブ”が魅力的な授業!
ーお話を伺っていると、インタビューに発表と、なんだかアクティブな授業の印象があります!
キャリアデザインというのは、自分たちひとりひとりの問題なので、学んだことをアウトプットするかがとても大切なこと。
それには、自分の中、グループの中、クラスの中といろんなレベルがあって、口頭で発表するとかパワーポイントを使うとか、いろんな方法もあるんです。
場面によって、アウトプットの方法もレベルも変えながらやっています。
受講生同士、教員と受講生、企業の方と受講生との相互作用と言いますか、コミュニケーションの中で、自分がどうしたいのかというのを主体的に考えて欲しいんです。あと…この授業って、レジュメが一枚のときもたくさんあるんです。
こちら側から課題やテーマを提示して、それについて考えて、話し合って、発表してねというスタイルが多くて…ほとんどもう、学生の皆さんと一緒に作っているという感覚ですね。
ー自分も授業を作っているんだって、自分も授業の主役だって思えるのは、なんだか達成感や自信にも繋がりそうですね!
早い段階から自分を知ることができることも、就活に対するネガティブイメージを減らせるかも!
「ワタシ」はどんな未来を描く?
ー松尾さんの将来の夢は何ですか?
ー農業の6次産業化? それは何ですか?
6次産業化には、第2次産業の加工や、第3次産業の販売までの全てを取り入れることで、農業を実際にする人が、自分自身で価格を決められる分、利益をより生み出しやすいという利点があるんです。
僕は、この6次産業によって、農業を成長産業にできると考えているんです!
ーちなみに、6次産業の6とは、1次×2次×3次の意味のようです。
ー牧野先生は、私たちぐらいの年齢の頃、どんな夢をお持ちだったのですか?
牧野先生私は中学生の頃から、学者かボランティアをやりたいと思っていて、あなた方の年齢のときには、大学院に行きたいと思っていました。
今思うと、なりたかった大学の教員になって、諦めずにやってきて良かったなと思います。ですが、教員となったからといって、学びが終わる訳でも全くなくて、より良い教育のために、自分が学ばなければと感じています。
まだまだ、皆さん方と同じ感覚で、何でも真摯に受け止める必要があるなと思っています!
鹿大生の皆さんへ
ーそれでは最後に、皆さんへメッセージをお願いします!
働き方だけではなく、今後の自分の人生の生き方について、考えられるのは大きいと思います!
ですから、自分は地方で活躍するんだと決めている人はもちろん、大都市圏で活躍しようか迷っている人や自分の道がまだ見えていない人も、積極的にこの授業を受けて欲しいと思っています。学生同士や教員も交えながら、みんなでその人の人生を一緒になって考えることが、それぞれの人たちにとって、一歩でも踏み出すきっかけになれば、とても嬉しいです!
おわりに
おわりに
おわりに
ひとつひとつを確かめるように、丁寧に話してくださった松尾さん。
学生に寄り添うように、穏やかにゆっくりと話してくださった牧野先生。
おふたりの温かな笑顔の中には、優しさだけではなく、将来をまっすぐ見つめる力強さが感じられました。
自分を見つめ、いろんな人やモノと結び、自分だけの特別な未来を描き出す。
そのための環境づくりや学びの工夫が、この授業にはたくさん詰まっていました。
「地域キャリアデザイン」の授業は、後期も開講することになっているそうです!
皆さんも、ぜひ履修を考えてみてはいかがでしょうか?
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産学・地域共創センター 連携推進部門
牧野先生
fa-envelope-omailplus01@gm.kagoshima-u.ac.jp