2023.02.27(Mon)
photo: Fujikyo
スポーツ=ライフル射撃ってどう?
かっこよくない?
かごしま国体の鹿児島市開催競技の一つ、ライフル射撃。そもそも、ライフル射撃というスポーツがあることを知らない人もいるのでは?今回は、そんな謎に満ちたライフル射撃を、KADAI INFOが鹿児島県ライフル射撃協会のご協力のもと、大解剖していきます。これを読んだあなたも、今日からライフル射撃をしたくなること間違いなし!!
ルールから見える競技の見どころ
ライフル射撃の種目は主に6種類(国体種目に限る)。銃刀法で許
どれも、ライフル銃やピストルで、標的を弾丸や光線で制限時間内に決められた姿勢(立射,伏射,膝射)で決められた弾数を撃ち得点を競う競技。例えば、10mのエア・ライフルでは1つの弾丸で10.9点を目指します。的を正確に捉えるための準備をする「試射時間」は15分。そして、その後に1時間15分の間で60発を、自由なタイミングで撃つ。満点は654点。選手は1時間15分の間でできるだけ丁寧に0.1ミリの的、「10.9」を多く撃てるように集中力を研ぎ澄まし続けます。
そのため、鹿児島県ライフル射撃協会の理事長・帖佐徳人さんは「練習の段階から10分ぐらい前に終えるような試合時間の配分づくりが重要になってくる。」と語ります。
ジワジワと体力と集中力を削られる、ライフル射撃
「百聞は一見に如かず」ということで、ライフル射撃を実際に体験しました。今回、体験した種目は無許可制の銃を使うビーム・ライフル。日本では銃刀法により一銃一許可制とされていて、一つのライフル銃・ピストルを扱うために警察の許可を得る必要があります。銃は持ち主以外の他人が触ることも許されません。厳しい銃規制の中で競技を楽しめるように開発されたのがビーム・ライフルなのです。
まずは、体が安定しやすい座った姿勢で撃ってみることに…覗いた照準具から中心を狙って引き金を引くけど、「あれっ?」。的にさえ、当たっていない。そこから、照準具の調整をしつつ、自分の感覚を的の中心に集中していきました。
少し慣れたところで、実際にウェアも着て立った姿勢で撃つことに…ウェアは選手一人一人に合ったオーダーメイドで作られており、その素材はライフル銃を固定しやすいように固い素材。撃つときのコツは腕を腰に当てて足からライフルを持つ腕までを一つの棒のように一直線に固定する。そんなコツを聞いて専用のウェアを着ても腕がプルプルッ。「照準具の中心と的の中心を重ねる」という単純なことなのに、運動経験0の僕には銃がブレブレで安定せず、到底できません。そしてふと気づくと動いていないのに、汗ばんでいました。じっと的に集中するメンタルに、正しい姿勢を保ち続ける体力も必要で、集中力と体力両方が大事な「スポーツ」なんですね。
肉体的、精神的、波を自然と整える
「試合中の『波』は小さく気づきにくいけど、その波を自然と良い流れに持っていくことがカギになってきます。」
鹿児島を拠点にライフル射撃選手として活躍する、吉川和宏選手は語ります。ライフル射撃はまさに己との戦い。15分の試射時間を含めた1時間30分という試合時間の中で、より早く10.9点の的を狙えるように流れを持っていく。そんな中でも、自分の些細な気持ちや疲れなどが弾一つに出てきます。例えば、吉川選手は試合中に疲れで一段階調子が下がったと感じたら、足の位置をずらしたり、呼吸を整えたり、銃を一度置いたり。小さい波を敏感に捉えて自然と直すようにしているそうです。そして、1時間を超える試合時間の中でプレッシャーに押しつぶされないために、一射一射を冷静に見るよう気持ちを作り込むことが重要だと語ります。「良い弾だったなとか悪い弾だったなとか…撃った弾に意識を向けると変に気持ちが上がっちゃうから、今の弾は普通だと思い込んでいます。」そして、選手たちはそんなちょっとした行動や繊細な気持ちを、1時間30分という長時間コントロールするために、練習の段階から、通しで試合ルーティンを確立しているそうです。
ライフル射撃の楽しさを多くの人に…
現在、鹿児島県ライフル射撃協会では、小学4年生から気軽にライフル射撃体験ができるとのこと。そして多くの人にライフル射撃を楽しんでもらうために、目が不自由な方も体験できるビーム・ライフルを導入したそうです。気になる方はぜひ、チェックしてみてください。
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【電話番号】099-229-6466
【場所】鹿児島県ライフル射撃場:鹿児島県鹿児島市犬迫町6313
※本記事は燃ゆる感動かごしま国体・かごしま大会鹿児島市実行委員会とのタイアップ記事です。