みなさんこんにちは!

編集のあやかです。

 

さっそくですが、みなさんは「国際バカロレア」という言葉を知っていますか?

略して、「IB」とも呼ばれます。

 

今回は、鹿児島大学の法文学部で初めて、「国際バカロレア」制度を使って入学した小山さんに話を聞きました!

 

まずは、「国際バカロレア」について詳しく説明します!

 

 

出典:https://www.ibo.org/digital-toolkit/logos-and-programme-models/

 

国際バカロレア(IB)とは…?
国際バカロレア機構(本部ジュネーブ)が提供する国際的な教育プログラム
国際バカロレア(IB: International Baccalaureate)は、1968年、チャレンジに満ちた総合的な教育プログラムとして、世界の複雑さを理解して、そのことに対処できる生徒を育成し、生徒に対し、未来へ責任ある行動をとるための態度とスキルを身に付けさせるとともに、国際的に通用する大学入学資格(国際バカロレア資格)を与え、大学進学へのルートを確保することを目的として設置されました。
現在、認定校に対する共通カリキュラムの作成や、世界共通の国際バカロレア試験、国際バカロレア資格の授与等を実施しています。”
出典:https://ibconsortium.mext.go.jp/about-ib/

 

 

分かりやすくするために、例を挙げて説明しますね!!

例えば、現代では、日本で大学に入学しようと思うと、多くの大学でセンター試験(今年からは大学入学共通テスト)が必要ですよね。
そのため、日本の大学に入学を希望する海外の学生たちは、入学する試験すら受けるのが難しいという現状があります。そういう現状を打破するために生まれたのが、このIBなのです!!もし海外でIBの資格を持っていれば、日本の大学でIB制度を使った入学ができるようになります

 

 

出典:https://www.ibo.org/digital-toolkit/logos-and-programme-models/

 

IBについての説明は以上です!!

みなさん、IBについてなんとなくイメージができたでしょうか?

 

ではでは、インタビューの内容に入っていきたいと思います!

 

今回、インタビューに応えてくれた小山さんのプロフィールは以下の通りです。

プロフィール
・名前
小山莉歩(こやま りほ)
・学部、学科、学年
法文学部 人文学科 2年
・出身県/出身高校
山梨県/山梨学院
(山梨学院高校で初めてのIB生)
・趣味
ランニング ピラティス ヨガ
・座右の銘(大切にしてる言葉)
・Keep calm and carry on
・有言実行
・継続は力なり

 

※今回のインタビューは、新型コロナウイルスの感染拡大の状況に鑑みて、オンラインで行いました。

 

筆者
こんにちは!今回取材させていただく、あやかです!
よろしくお願いします。

小山さん
こんにちは!小山です。よろしくお願いします。

筆者
さて、まずは高校時代のお話から聞きたいと思うのですが…
IBプログラムのある高校に入学しようと思った理由は何だったのですか?

小山さん
そもそも、山梨学院中学校に在学していたんです。
そこで、系列校の山梨学院高校の説明会があり、高校でIBプログラムが始まることを知りました。
でも、説明を聞いていてもなんとなくしか分からなかったんです。笑
それが逆に、興味をそそられて、両親や友人とIBについて調べてみたり、高校の先生に質問したりしました。

筆者
わからないこそやってみようと思ったのですね…
まさに、「チャレンジ精神」です!!では、具体的に山梨学院高校でのIBカリキュラムを教えてください。

小山さん
IBを日本の高校に当てはめたときのカリキュラムは、2年間なので、本格的に始まったのは2年生の時でした。
IBでは、いわゆる日本の中学生や高校生が受ける定期試験では成績はつきません。
1年生の時は普通に”日本の高校生のカリキュラム”だったので、定期試験ももちろんありました。
でも、2年生になって急激に環境が変わったので、最初は戸惑いましたね…ちなみに、英語と美術の授業は英語、他の科目は日本語で行われていました。

 

 

筆者
そうなのですね…
1年間、”普通の”学生生活を送って、2年生になっていきなり環境がガラリと変わる(IBに移る)のは、大変ではなかったですか?

小山さん
正直、とても大変でした。
IBは、相対評価ではなく絶対評価です。
つまり、点数や順位などで人と比べるのではなく,自分自身の成長や過程に重点が置かれます。

中学校の3年間と高校の1年間の定期試験を通して、順位や点数のために勉強してきた私にとっては,慣れないことで戸惑ったことも多かったです。なので、友達のレポートや美術の作品が評価されているのを見ると,自分に自信がなくなったり,落ち込んだりしていました。

筆者
なるほど。
「友達は友達。自分は自分」と、試験の評価において割り切るのが難しかったということですね。

小山さん
そうです。今考えると、文章やアイデアは他人と比較するのは難しいですよね。
でも、そんなこと、当時は考えられなくって…
友達に「羨ましさ」を感じることが多かったんです。
また、友達がどんどん進んでいるように見えて、「焦り」を持つことも多かったです。

筆者
大変さの中に、課題の量などの物理的なものが挙げられるのではなく、精神的な苦労が挙げられるのは、経験者だからこその言葉ですね。

重みを感じます。でも、そんな中で、諦めることなく、2年間続けられたのは、どうしてだったのですか?

 

小山さん

山梨学院高校の私たちの代のIBの生徒は9人だったので、その分、結束力が高かったのも、もちろんあります。また、先生方や家族の支えも大きかったです。

加えて、「自分にない考え方をたくさん知ることができて、視野を広げられた」というのも、大きいです。

 

筆者

刺激的な毎日だったのが簡単に想像できます!

では、正直、IBを経験して「良かった」ですか?

 

小山さん
もちろんです!
自分の視野が広がったのもありますし、このように、自分の経験を周りにシェアすることが多いんです。

この取材もですが、母校のパンフレットに経験談を書かせてもらったこともあるんです!IBでの経験を人に伝えることができて、とても嬉しいんです。

 

筆者

確かに、この経験を広げるのは小山さんにしかできないですもんね!

それを「嬉しい」と思えるのも素敵なことです!!

学習面では、何かありますか?

 

小山さん
振り返りの習慣がついたことです。

高校時代、IBで振り返りすることが多かったんです。それが習慣になって今でも気づいたことや学んだことを、細かく記録しています。

 

例えば、毎朝ランニングをしているのですが、その時にどんなことを感じたのか,身体の調子はどうだったのかなどをイラストにしてまとめています。
そうすることで,自分自身を見つめなおすことができると思っています。

 

↓実際の写真はこちら!

 

 

また、最近では文章の部分を英語にして書くことも始めたそうです!

↓その実際の写真はこちら!

 

 

筆者

これはすごい!!!

後から見ても、その時感じたことや思ったことが簡単に思い返せそうです!

さて、では大学受験のことについて聞いていきたいと思います。

まず、日本の大学を受験しようと思った理由は何だったのですか?

 

小山さん
実際、IBプログラムで受験できる大学は日本より海外の方が多いのですが、金銭的な理由もあり,海外の大学は候補外でした。

 

筆者

なるほど…確かに、海外に行くとなると莫大なお金がかかりそうですよね。

では、いざ日本での大学受験を初めてみて、大変だったことはありますか?

 

AO入試や推薦入試も使うことができたのですが、せっかくIBで卒業するなら、IB入試で入学したいというのはありました。
でも、卒業間近になって、IBの資格を取るために必要な最低点をクリアできずに、資格が取れなかったんです。

 

筆者
それは大変!!
どうやって解決したんですか?

 

小山さん
美術の作品を再評価してもらったところ、評価基準をクリアして、資格をとることができました!!

 

筆者

それは安心しました笑

聞いているこちらまで焦りが伝わってきます。

受験の時の具体的なスケジュールを教えてもらってもいいですか?

 

小山さん
はい!
まず、AO入試や他大学のIB入試にチャレンジしました。そして、鹿児島大学を1月に受験しました。

 

筆者
そのような大学受験を経験した中で、「やっておけば良かったこと」って何かありますか?

 

小山さん
そうですね…
TOEFLなどの英語の検定をもっと受けておけば良かったと思います。
入試を受ける際に求められることが多いので…
高校生のうちに2回ほど、受け始めたのは高校3年生の12月頃だったと思います。

 

 

出典:https://www.ets.org/jp/toefl/test-takers/

 

TOEFLとは…?
TOEFLは、「Test Of English as a Foreign Language」の略で、日本などの英語を母国語としない国の人々を対象に実施されているテストです。
これは、海外留学のための試験で、アメリカやイギリス、オーストラリアなどの教育機関において入学・卒業の基準として用いられています。
そのため、試験もアカデミックな内容となっており、専門的な単語への対策が必要となります。(英語による実践的なコミュニケーション力を求めるTOEICとは異なっています。)

 

筆者

なるほど…

IB=英語というイメージが強いからこそ、IBの資格の他にそのような英語の資格も求められるのかもしれないですね…
IBで無事合格できて、これから先の目標や将来の夢などはありますか?

 

小山さん

直近の目標では、アメリカに留学したいと思っています。

将来は、IBの先生になりたいです。自分が素敵な先生に巡り合えたように、私も、生徒に自信を持たせられるような先生になりたいです。

 

筆者
目標も将来の夢も素晴らしいものばかりですね!
特に将来の夢については、小山さんがIBを経験しているからこそ、自分の生徒に伝えられることも多いのではないかと思います!
微力ながら応援しています。では、その目標や夢のために頑張っていることってありますか?

 

 

小山さん
今1番頑張っていることは、英語の勉強です。
隙間時間にポッドキャストを聞いたり,海外のインストラクターの動画をみながらエクササイズをしたりしています。
日常生活の中で積極的に英語を取り入れています。

 

筆者

コロナ禍で“自分の時間”が多い、今だからこそ、気を引き締めて頑張っている姿に刺激を受けます!

最後に、IBプログラムで大学受験を目指す人に向けて一言お願いします!

 

小山さん
私はIBで卒業して、「やって良かった」と今、思えています。
今、苦しい思いをしている後輩たちもきっとそう思える日が必ず来ると思います。

ぜひ、諦めずに頑張って欲しいと思います

 

筆者
インタビューはこれで以上になります。
今回は貴重なお話、ありがとうございました。

 

小山さん
ありがとうございました!

 

まとめ

今回は、IBというプログラム経験者にお話を聞くことができて、私自身の勉強にもなりました!

今回、小山さんと話をしていて、一番印象に残ったのは、

「物理的な大変さより、精神的な大変さが大きかった」という言葉です。

 

普通、「宿題の量が多い」や、「全部が英語の授業に慣れない」などの大変さがフューチャーされがちですが、「相対的評価から絶対的評価への順応」という大変さがあったことを気づかされました。これこそ、経験者だからこそ言える言葉ですよね。

たった今、IBで大学受験中の学生も、IBへの挑戦を考え中の学生も、この記事が、少し先のことを考えるきっかけになってくれたら嬉しいなと思います。

その経験の先には、きっと今まで見たことないものが開けているのではないでしょうか。

 

 

最後に、今回、取材に応じてくださった小山さん、本当にありがとうございました。

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